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協議会の活動・地域のニュースなど掲載された記事を紹介しています

2010年12月19日の読売新聞(石川版)に、当協議会の会長岩田正樹の記事が掲載されています。

七尾湾岸 魚たちよ戻れ
「人工海岸に自然石」活動


県が、COP10で里海保全のモデルとしてPRし、海外からの視察者も訪れた七尾湾。この地は、アマモが繁茂する大規模な藻場で、漁業や交通の要所として人々の営みを支え続けた「恵みの海」だ。コンクリート護岸が進み、生物の居場所が奪われつつある中、立ちあがった地域住民が人工海岸に自然石を並べ、生物の住み家を取り戻す計画を進めている。(益田耕平)

群青の海面が緩やかに波打つ、小さな入り江に面した穴水町新崎地区は魚やモズク、ナマコなどの漁が盛んだ。自然保護に積極的に取組んできた住民活動が評価され、昨年度に県から里山里海保全の先駆的地域に指定された。だが、その先進地にも環境破壊の波はじわりと押し寄せていた。

「漁師は減ったのに1人当たりの漁獲高は変わらない。魚が減っているんです」

新崎地区で生まれ育ち、現在は、「新崎・志ヶ浦地区里海里山推進協議会」の会長を務める県嘱託職員の岩田正樹さん(62歳)が証言する。かつて同地区では、ほとんどの家が漁業をなりわいとしてきたが、岩田さんの代になって、魚やモズクが減少し、サラリーマン世帯が増加。現在では全30戸のうち、漁業を営むのはわずか4戸だ。

岩田さんは漁獲高の減少はコンクリートの人工海岸が増えたことが主因と考える。七尾湾の人工海岸の比率は81%。人工海岸は垂直に切り立っているため、潮の満ち引きに寄って地表に出たり水中に沈んだりする「潮間帯」が少ない。潮間帯やその周辺に、多数生息している貝やナマコ、モズクなどが、人工海岸ではあまり見られない。

のと海洋ふれあいセンター(能登町)が昨年行った調査でも、人工海岸は自然海岸に比べ、生物の種類が少ないことが確認された。

調査を担当した同センター普及課長の坂井恵一さん(54歳)は危機感を募らせる一方、「人工海岸でも自然石を置いてなだらかな斜面をつくれば、潮間帯が広がり、生物を呼び戻せるのでは」と考えた。岩田さんに話を持ちかけたところ、協議会のメンバー16人が、実動部隊となり、人の頭ほどの自然石を配置することが決まった。
活動は来年2月から始まる。軌道に乗れば、岩場の褐藻に張り付くモズクや、夏場に石の裏に潜り込んで休眠するナマコが増えることが期待される。

幼い頃、モズク漁に励む両親の姿を見ながら育った岩田さん。石を一つ一つ運ぶ地道な作業によって、「将来の世代が、再び漁業で生計を立てられるようになれば」と願う。(記事=読売新聞)


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